読書ノート：『買い物は投票なんだ』

Maki
Oct 25, 2019
4 min read

読書の秋が、到来しました♪ 「普段忙しくて、なかなかゆっくり本を読む時間がとれない！」というあなたも、深まる秋の中で少しずつ長くなる夜の時間などを有効活用して、たまにはゆっくりと、本でも開いてみませんか？

ということでKoKeBeeブログではこの秋、不定期連載として、読書ノートシリーズを始めてみました。メンバーの心に響いた一冊をご紹介していくので、気になったらぜひともチェックしてみてくださいね！

シリーズ第一回目の今回お届けするのは、藤原ひろのぶ（著）・ほう(法生) (イラスト)／『買い物は投票なんだ』です。この本はページ数もそれほど多くない絵本ですので、ぜひお子さんと一緒に読んでみてください。

出典：フォレスト出版

『買い物は投票なんだ』ってどんな本？

これは、「あなたが買い物するたびに行っている選択の一つひとつが、私たちが住んでいる地球環境へ影響を及ぼしているんだよ」ーーということを、分かりやすく教えてくれる本です。

例えば選挙の時って、有権者が選挙に行き、投票をしますよね。するとその結果として、投票数が多かった党が勝ちますよね？実は、買い物でも同じようなことが起きているんです。あなたがどの商品を選択するかによって、結果として、私たちの未来がどうなって行くのかが少しずつ、でも確実に、決められていくんです。例えばこんな風にして……

自然に優しい商品を購入する方に1票！ 自然なんて関係ない、安い方に1票！

筆者、藤原ひろのぶさんの言葉で言うと、これは

“買えるを変える”※引用元：藤原ひろのぶ著／『買い物は投票なんだ』

ということになります。

「買えるを変える」というのは、著者からの「あなたがお金を払って購入する商品について、もっと考えて選ぼうよ！」というメッセージなのです。

何を選ぶかが、未来の地球を作ります。例えば、食べ物。「今日はオーガニック野菜を選ぼうか、それともやっぱり、安売りしていたこっちの方を選んじゃおうかな!?」ーー買い物をするたびに、私たちは毎日こうした小さな選択をせまられています。安売りの野菜は、もしかしたら農薬がたくさん使われていたり、遺伝子組換がされたものなのかもしれません。あなたが、どんな商品を選ぶかによって、マーケットのニーズは確実に動いて、それによって世界も変わっていくのです。だから「何かを買う」という行為は、「その商品や背景にある考えに対して、あなたが一票を投じた」という投票行為なんですよ。

読後の感想

絵はとってもほのぼのとしていますが、中味は、環境問題や社会問題について子どもと一緒にしっかりと考えさせてくれる内容です。

お話の中で登場する「アースおじさん」というキャラクターも、ちょっとお茶目。読み手の子どもたちに、「私たちが生きていく上で大切なことってなんだろう」と関西弁でやさしく問いかけ、いろいろと考えさせてくれます。そして、今と昔の生活を比べながら、私たちが便利さを追い求めた結果、失ったもの・壊してしまったものについて、はっと思い出させてくれます。

私自身もこの本を読んで、正直、私たちは何をやっているんだろうと思いました。そしてもっと、できることをしようと思いました。